Vision statement 地に根ざしたイノベーションが集積する「未来創造のフィールド」、鹿児島

鹿児島は、桜島をはじめとする活火山群や温泉などの雄大な自然資本と、それを基盤とした多様な食文化と歴史を培ってきた地です。
日本各地で気候変動の影響がさまざまな形で現れつつあるなか、本土最南端に位置し、南北600kmにわたる多彩な地形と気候帯を持つという地理的特性によって、台風の規模や進路、海洋性気候の変化などを比較的早期に、多面的に捉えやすい環境にあります。

さらに、郷中教育に端を発する“学び合い”と“切磋琢磨”の文化が根付いていることも、鹿児島ならではの特質です。外圧を感じ取りやすい地理・気候条件と、仲間とともに高め合う風土が掛け合わさることで、変化の時代を豊かに生き抜くための実践知が自然と集積していく土壌が、ここ鹿児島には備わっています。

私たちは、この鹿児島で「150年後の世界に、私たちは何を遺すのか?」
という問いを軸に、地域企業、金融機関、自治体、そして離島を含む多様なコミュニティと共に、内的変容を基盤にした深い意識変革を実現させ、今ここにある自然・文化・コミュニティの豊かさを150年後の未来へと確実に手渡したいと願っています。

2022年に産声をあげた「薩摩会議」は、全国各地より多彩な実践者たちが集う場となりました。
私たちの持つこの風土と、薩摩会議で深まった繋がりを軸に、ここ鹿児島を、地に根ざした革新的な取り組みを数多く創出する豊かな土壌へと育て上げたい。

我々はそのためのプラットフォームを、SOIL(Satsuma Open Innovation Lab)と名付けました。

ここで生まれるのは、気候変動をはじめとした現代の「黒船」ともいうべき大きな外圧を変革への好機と捉え、未来の世代に豊かな資産を遺すための多面的な挑戦です。
例えば、農業・畜産・水産といった一次産業を支える新たな仕組みづくりや、エネルギー問題への挑戦、歴史的景観を活かした建築・街づくりの革新、観光・モビリティの再設計、そして次世代を育む新しい教育の実践など、取り組む領域は多岐にわたります。

これらの試みを可能にするのは、先進的な技術や仕組みを持つ主体(企業や研究機関)が鹿児島の意志あるリーダーや地域と出会うことで生まれる協働アプローチです。
そのために、各分野が直面する課題をエビデンスベースで学び合う機会を継続的に開催し、根拠にもとづく戦略設計と実践を通じて知見を共有し、プロジェクトを強化していきます。

10年で100を超えるプロジェクトが芽吹き、鹿児島は多様なイノベーションが集積する「未来創造のフィールド」となります。
その成果は、現代の私たちの暮らしをより豊かで幸福なものにするだけでなく、自然、文化、コミュニティが有機的に結びついた世界を150年後の子孫に遺す礎となるでしょう。
内なる変容と長期的な視座、多様な関係性、そして地域に根ざした多元的な挑戦を通じ、私たちは鹿児島から、誇りをもって次世代に引き継ぐことのできる未来を紡ぎ続けていくのです。