社会はこうして
生まれるのかもしれない
阿座上 陽平
株式会社Zebras and Company 共同創業者/代表取締役
「薩摩会議についてなんでもいいから書いて欲しい」
恭平くんからきたメッセンジャーに、即答でOKと言ったものの頭を抱えた。
元々筆は遅いのだが、このテーマで何を書くのか。
そう思っていたら、締め切りの12月の中ばを過ぎてあっという間に、現在、翌年の3月6日。
ローカルファイナンスシンポジウムに向かう飛行機の中である。
薩摩会議(およびセルフ合宿)は、僕の人生の中でも非常に稀有な体験だ。
ビジネスにも関わるし、仲間との交流でもあり、新しい社会変革の動きを体験し学ぶ場でもあり、未来を一緒に作る場でもある。ビジネスもパブリックもソーシャルもパーソナルも混ぜ合わせだ。
全ての人が自分の人生の様々な瞬間を、自ら選択肢を作り、意思決定し、良いも悪いも結果を受け止めて改善し続ける。そんな社会になったらいいなと思っているが、会社に所属してたり、個人でも産業構造の末端にいたりするとなかなかそう言った発想が取りにくいかもしれないが、薩摩会議にる人の多くは前述のように経営者だろうが勤めていようが自分で人生を作れる人たちの集まりだと思う。
それを僕は心地よいと思うが、居心地が悪いと思う人も多いことだろう。
「なぜこんなにも自由で本気に生きているのか」と。
ゼブラムーブメントを作っていくために全国様々な場所に行かせてもらうが、他にこんなところあるかと聞かれると、このような単に「熱量」という言葉だけでは言い表せない何かがある場所は体験したことがない。
閑話休題。
今、長戸湯本に行くための予習として「温泉街リノベーション」という本を読んでいる。
昔ながらの温泉街が、街に顔となっていた旅館の廃業により寂れていく兆候が見えたところから、市長が温泉街全体の再生に手をかけると決め、実行者として経産省から地方創生制度でやってきた若手がやってきて(その後2年で帰らずに経産省を辞めて街のエリアマネージャーに)、再生のパートナーとして星野リゾートを呼び込み街全体を巻き込んでマスタープランを作ることから始める。
読んでいくと、どのプロセスも真っ当である。
この真っ当であるということが本当に難しい。
絵を描きながらもその場に住み営む人たちと乖離せずに対話し、意思決定をしていく。
本を読むとスマートになるが非常に泥臭いはず。
少し自分を振り返る。
前職でお菓子のムーブメントを起こし事業が拡大し、現在もゼブラ企業のムーブメントを起こすために活動している。(お菓子の方もまだ続けているのでSNOWSやCHEESE WONDER、FONDANというブランドを見かけたらよろしくお願いします。)
これらも、一般的には成功と言われる程度の成果は出せたと思う(もちろん全てを僕が担ったわけではない)が、実行してきた感覚としてはただただ経営やマーケティングや(広義の)デザインの本に書いてあることを真っ当に実行してきたというだけだと思っている。だから一定の再現性はあると思ってる。
もしこれらに興味あるなら会社のメンバーに渡してる書籍のリストを送ります。
話を薩摩会議に戻そう。
薩摩会議やセルフで会うメンバーは、それぞれ非常に強烈な個性と能力を持っている(それ故の様々な苦労や背景もある)が、素直でアドバイスや学んだことに真摯に向き合い泥臭く実行している。
だからこそ、いち早く学び、良い結果にはドライブをかけ、悪い結果は改善して良くしていくことで一年の間に大きな進歩を作っている人が多い。
えてして人は、他人の目や虚像の憧れに囚われて、前に進んでいるつもりがその場で空回りしていることも多い。
そんなことも踏まえ、この身体で生まれたてから経験を得た自分を振り返り、その特性と立場(会社とかそういうことではない時代的なもの)だからできることを考えて、泥臭く実行していく。
そうか。
僕が薩摩会議のメンバーが好きなのは、理想とする個人像に近い人たちが集まっているからなんだ。
この記事は何になるのか。
とりあえず気分が乗ってみたから書いてみたら、自分の理想の個人が集まる場所、つまり、小さな範囲での社会、がここにあったからだ、ということに気づくことになりました。
薩摩会議は外から見るともしかしたら仲間内のサークルに見えるかもしれない。
そうは言っても毎年新しい人も増えていてコミュニティは広がっている。
正しい言葉かはわからないけれど、直島をアートの島にしたベネッセの福武總一郎さん曰く「何か事をなすならば同世代と組め」とのことだ。
福武さん、安藤さん、フラムさんがそう。
同世代の同じバイブスの人が集まることに違和感があったとしても、それは馴れ合いにならなければ貴重な場であり、結果が出し続ける良い温度感での切磋琢磨の場になっていて良いと思う。
これから新しく参加する人たちは、恐れもあろうけど、心を開いて自分が何を感じているかを大事にして語りかけてくれるとバイブスの合う仲間ができると思うので、ぜひ興味があれば飛び込んでみてください。
運営メンバーは自信を持って続けてほしい。(そんなことは言われなくてもやると思うが笑)
こんな場に横浜の僕が仲間に入れてもらっていることに感謝を。
個人と組織と社会の自律的な変容が、エゴシステムからエコシステムへの変容が、ここから始まっている。
それを、これからも一緒に。