完成しない村から、
続いていく経済を考える

有村ツインズ

おばま工務店 代表取締役(11.5代目)&取締役会長(11代目)
obama village 村長&副村長
鹿児島スマートBBQ協会 会長&副会長

Field|小浜

#つながりの経済 #地に根ざす経営 #続く関係をつくる

林業から建築へ、そして「村」という実験へ

私たち有村ツインズは、鹿児島県霧島市で代々続く林業を家業としてきました。山に入り、木を育て、伐り、使い切る。その時間軸は数十年単位で、短期的な成果よりも「続くこと」そのものが価値になる世界です。
その林業の文脈を背景に、住宅建築、地域の場づくりへと事業を広げてきました。小浜地区で運営する「obama village」は、完成をゴールとしない村です。人が入り、抜け、役割が変わり、関係が編み直されていく。その過程自体を地域の資産として捉え、事業と暮らしが分断されない形を模索しています。

成長は目的か、結果か

私たちは成長を否定していません。売上や規模の拡大は、事業を続けるうえで不可欠な要素です。ただし、それが唯一の目的になった瞬間、地域や人との関係が摩耗していく場面も多く見てきました。
いま向き合っている問いは、「成長を前提としながら、関係を壊さずにどう進むか」です。急拡大ではなく、必要な速度で、必要な範囲に広げる。その判断を誰が、どの視点で行うのか。林業的な長い時間軸と、経営としての現実的な成長要求。その両立に日々向き合っています。

場を運営しながら、関係を編み続ける

obama villageでは、飲食、ものづくり、イベント、教育的な取り組みなど、多様なプレイヤーが関わっています。私たちの役割は、すべてを管理することではなく、関係が健やかに循環するための土台を整えることです。
入居者や地域住民、金融機関、行政、外部からの来訪者。それぞれの立場や時間軸が異なる中で、対話を重ねながら小さな調整を続けています。事業を増やすよりも、関係を深める。その結果として、新しい挑戦が自然に立ち上がる状態を目指しています。

小浜というローカルが、挑戦の安全地帯になること

私たちが小浜で実現したいのは、挑戦しても壊れにくい地域です。成功しても失敗しても、関係が残り、次につながる。そんな「安全地帯」としてのローカルをつくりたいと考えています。
obama villageが完成形になることはありません。人が変われば、役割も、風景も変わる。その変化を受け入れながら、続いていく経済を育てる。成長を否定せず、関係を犠牲にしない。小浜から、その両立が可能であることを示していきたいです。

完成させなかったという選択

150年後に遺したいのは、立派な建物や完成された制度ではありません。変わり続けながらも、関係が引き継がれていく土壌です。
林業がそうであったように、私たちの仕事も、次の世代が手を入れ、更新し続けられる余白を残したい。完成させないことで、続いていく。obama villageは、その思想を実装するための実験場であり続けます。